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軽く自己紹介をして、みんなで飲み食いをしたり歌を歌ったりする。
歌を歌うと言っても、メインはお話のようでカラオケというのはただの場所借りのようなもののようだ。
「麗ちゃん、すっごいキレイだよねー。ビックリだよ」
「あら、お上手なこと!」
麗ちゃんも盛り上がってるらしく、なんだかいい感じだ。
合コンっていうのは、多少チャラい男の子との方が盛り上がるのかもしれない。
皆の事を観察していると、隣に男の子が座ってきた。
髪は赤みのかかった茶髪で、今時の男子高校生だなって印象を受ける。
「ひなちゃんだよねー?隣、いいー?」
「あ、はい、どうぞ」
整った顔に金色のピアス。
そういえば、祐はシルバーのピアスだったな。
って、祐のことは今思い出したくない!
思い出しただけで、なんだかもやもやするもん。
「なんか、ひなちゃんかわいいよねー」
「え、そんなことないですよ」
ニコニコと上機嫌で笑かけてくる。
「俺、ハルトって言うんだ。よろしくね」
「あ、わたしはひなです」
「知ってるー、ってか敬語やめよーよ、タメだし」
なんかグイグイくる。
草食男子が多いなんて聞いたけど、やっぱり肉食もいるもんだ。
「っていうか、俺、最初見た時からひなちゃんのこと気になってたんだよね」
「へ?!」
何のご冗談?!
そんなこと言われたの初めてだ。
「けっこーマジ。ひなちゃん色白だし、小さくて目もくりくりで可愛い。自己紹介の時めっちゃ緊張してたよね」
「あ、初めてなんで。ちょっと…」
「へぇ、初めてなんだ」
こんなに男の子と面と向かって話すのってすごく緊張する。
わたしは、目の前に置いてあった飲み物を手にとって、ぐっと飲んだ。
「あれ、なんかふわふわする」
一気飲み、とまではいかなかったけど大きめのグラスに入った飲み物を半分以上のんでしまった。
なんだか甘くて頭がふわっとする。
「え、ふわふわ?どうしたの?」
異変に気付いてハルトくんは、首を傾げてから、わたしが飲んでいた飲み物を手に取る。
「げっ、これ酒じゃん!誰が頼んだんだよー」
どうやらそれはお酒だったらしい。
お酒なんて飲んだことはないわたしは、理解できなくて。
「ひなちゃん、大丈夫?」
「らいりょーぶ」
「呂律回ってないじゃん」
クスッとハルトくんが笑った。
わたしの頭を撫でるように触る。
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