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「ちょっと俺、ひなちゃん外連れてくわー」
ハルトくんは少し大きい声でみんなに言った。
「え、なにハルトお持ち帰り?」
「ちげーよ」
ひゅーひゅーっと冷やかしのヤジが飛んできた。
そんな中、心配そうに麗ちゃんがわたしを見てくる。
「ひな、どうかしたの?」
「なんかさ、誰かがお酒頼んだらしくて、ひなちゃん間違えてのんじゃたんだよ」
「え?!ひな、大丈夫?」
慌ててわたしに駆け寄ろうとした麗ちゃんだけど、隣にいた男の子に止められていた。
「麗ちゃん、大丈夫だって。ハルトがついてるし」
「けど……」
続けようとした麗ちゃんだけど、周りの雰囲気を壊すわけにもいかず、
「ひなのことよろしくね」
と、ハルトくんに言った。
「任せとけ!」
ハルトくんは上機嫌で答えて、わたしのことを支えるようにして部屋から出る。
わたしの頭の中はもう何がなんだか分からなくてそのままハルトくんについて行く。
「ひなちゃん、顔真っ赤だよ」
「ふぇ?」
そう言われてみれば、顔が熱い。
身体も火照ってる。
熱がある時みたい。
「ひなちゃん、かわいいなー」
ハルトくんはまたクスクスッと笑う。
「うーん、なんかだるい」
なんか頭だけじゃなくて、全身がふわふわしてきた。
カラオケ店を出て、外に出てもあまり異変は変わらない。
「マジかー」
ハルトくんは少し悩んでいたけど、一息ついて話した。
「しょうがない。ひなちゃん、何もしないから少し休もっか」
わたしはくてんくてんだし、仕方ないと踏んだハルトくんはそうやって何処かを目指して足を進める。
わたしはハルトくんが何処にいくのかなんて検討もつかない。
ただただ、ハルトくんについて行くだけ。
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