第1章

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そして、何だかんだで祐はわたしを家まで招待してくれた。 「おじゃましまーす」 ガチャっと祐が玄関のドアを開けて、わたしは真っ先に入った。 「今日お母さんは?」 「また海外出張」 祐のお父さんは小さい頃に交通事故で亡くなっている。 その代わりお母さんはバリバリのキャリアウーマンで、よく海外やらなんやら色んなところに出張に行ってる。 あと、祐には1人暮らしをしているお姉さんがいる。 「いつも大変だね。今回はどこ行ってるの?」 「ドバイだっけな……フランスだっけな……」 「あ、そうなんだ…」 なんか全然違う気がするのはわたしだけ? まぁ、祐は真剣に答えてるみたいだし、そんなこといっても仕方がないか。 「わたし、部屋先行っててもいい?」 「ん。飲み物、カルピス?」 「濃いやつね!濃いやつ!」 「はいはい」 わたしは祐の部屋に行く。 もうずっと通いつめてる祐の部屋は自分の部屋みたい。 部屋に入って、すぐいつものようにゲームの用意をする。 テレビにコンセントを繋いで、何のカセットを使おうかなって思っていたら、 ちょうど祐がコップ2個を片手に入ってきた。
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