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函館が守ってくれる。誰にも邪魔はされない。函館が居る限り私はヒーローだし、誰にもこの役目は務まらない。取り敢えず家に到着した私は、裏口へと向かう。そして私の部屋に当たるであろう壁と向かい合う。私の部屋は、二階。今私の頭上にあるのが私の部屋。
ベランダへと跳ぼうとする私に、衝撃が走る。自室のベランダ付近から物音がしたのだ。誰かが居る。こんな時間に妹が居るとは考えにくい。また悪い物が現れるのも、おかしい。もしかして、泥棒?独りでに大きくなる不安と戦いながら、ベランダへと跳んでいく。
「第三の鍵」と、誰にも聞こえない様な声で呟きながら。それも早口で。本当に泥棒だったらどうしよう。窓に近付き、壁を背中にして様子を伺う。ナイフとか持っていたりして。おーこわ。
しかし変身した今の私の敵では無いのです。一時的な空間破棄で、四角く壁に穴を開け、忍び込む。自分の部屋だけど。そして音も無く部屋に入った私は、敵が居るであろう方へ走り、ステッキを突き付け動きを止めた。
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