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「ころせ」
険しい表情を浮かべ拳を握り、訴えかけてくる。戸惑う私。私が倒すのは悪い物だけで、人は、倒さない。同年代の女子なんて、尚更。固まった私を通り過ぎ、そのまま音もなくフッと消えた黒ローブ。結局最後まで、正体は分からないまま。結局会話は交わさないまま。結局最後まで彼女が呟いた言葉は、"殺せ"、なんて。
それって、どういう意味?
少し考えたが、分からなかった。それにしても疲れた、明日ゆっくり考える事にしよう。変身を解き、ベッドにそのまま倒れ込む。結局何も言わず消えた函館。何だったんだろう――明日、函館にも聞いてみよう。それで良いだろう、うん。
先生達はこんな事を知ったらきっと驚くだろうな。驚いた皆を一人、ベッドの上で想像した。月明かりが窓から入り、薄暗い。私が先生達を、それ所か街全体を守っているだなんて聞いたら、見る目は変わるだろう。皆はきっと、私のことを応援してくれるだろうな。
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