序章

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月明かりに照らされた天まで伸びる階段。 感覚の短い足音が辺りに響く。 あと少しで夢にまで見た天側の世界へ入れる。 天側世界の入り口が見えて来たが体はもう疲れ切っていた。 しかしここまで来たからには止まるわけにはいかない。 あと50mで入口を突破できる。 そう思ったときだった。 右胸に衝撃を感じた。 痛みより先に左胸にも衝撃を感じた。 体はその場に崩れ落ちる。 何が起こったのか分からなかった。 手も動かない。 唯一分かったのは向こうから人が歩いてきたことだけ。 顔を確認するまで意識は持たなかった。
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