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ナグラント国は人口100万人ほどの国で、君主制を用いている。
女王に君臨しているのはミーア・ナグラント。魔法が使えるため魔王とも呼ばれる。
国民は4つの層で分けられている。
上から「富裕層」「中央層」「貧困層」「奴隷層」
富裕層は天側、空の上での生活が許されており、富裕層になるためには税金を多額収めなければならない。
中央層と貧困層は地上での生活が出来る。層の差は勿論納税額。
奴隷層には基本的に人権が無い。一生隔絶された地下世界で労働を強いられる。
地上と天側は長い階段で繋がっており、そこを通ることは富裕層にしか許されていない。それ以外が通れば容赦なく処刑される。
天側世界の中心地、高くそびえ立つ塔の下に大聖堂がある。
大聖堂は会議に使われる他裁判にも使われる。
この日は朝7時ごろから大聖堂の前は人で賑わっていた。
その中には殲滅部隊指揮官のレズリー = ロックウェルや地下世界獄長のロビーナ = エディの姿があった。
エディはレズリーの姿を見つけ声をかける。
「やっ、レズリー」
レズリーはエディに気付き手を振る。
「お前も裁判に参加するのか?」
エディは笑みを浮かべる。
「魔王様に近くで会えるからね。それに魔王様に刃向った奴を見たいし。」
「お前本当に魔王様好きだな・・・」
「私を認めてくれた人だからね!」
2人が歩きながら話していると大聖堂の入り口から中の様子が見えた。
中の席はそこそこ埋まっていた。しかし女王が立つ台の前はガラガラだった。
エディは他の席には見向きもせず一番前の席へ座った。
レズリーは最初嫌だったがもう慣れた様子だ。
2人が座ってから15分ほどして大聖堂の大きな扉が閉められた。
聖堂のステージ右側にある台で裁判進行役が話し出す。
「本日は忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。本日は先日の戦争で我が国への宣戦布告の指示を出した犯罪人、ガウェイン = ブラックの今後についてを決める裁判を行います。」
左の小さい扉から鎖で縛られたガウェインと兵士4人が入ってきた。
ガウェインに生気は無く、茫然と突っ立っていた。
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