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怪物が繰り出した触手は無残にも千切りにされてしまっていた。
千切りにされた触手が地面にぶつかり地割れを起こしたのではなく
触手を切り刻んだバッシュによって地割れが起こされていたのだった。
「ぎゃあああああああああああ!!」
「ったく、今日はあんまり気分が乗らねぇんだけどなぁ…」
「まぁまぁそう言わずに、あとでなんか奢ってあげるからさ」
「マンドラ酒浴びるほど飲ませろ」
「またぁ…?」
「酒は百薬の長だ」
「酒は飲んでも飲まれるなって言葉知ってる?」
「ぎゃあああああああ!」
自分の体を傷つけられ激昂した怪物が、目の前に立っている二人にすべての触手を一斉に伸ばした。
ゴオと風を切る音が響き、怒涛の勢いで触手が二人の目の前に迫ってきた。
「んじゃさっさと終わらせるか」
「うん、早く帰りたいしね」
二人がこくりと合図を出した瞬間。
植物の怪物は木っ端微塵になっていた。
それこそ言葉通り木屑と化してしまっていたのだ。
シードが目に見えないスピードで山ほどある怪物を手にしたロープですべての動きを封じ
バッシュが手にした背丈ほどある大剣を担ぎ、大きくジャンプし怪物を一刀両断した。
大剣の風圧により周りの森林が揺れた。
怪物の体は風圧を直に受けて粉砕してしまったのである。
「おー、倒した倒した」
「思ったより手応えなかったな」
「この辺じゃ強い方らしいけどね」
「まぁ言ってもランク5だしな」
「俺たちドリームファウンテンズの相手にはならないよ」
「んじゃここで自己紹介を」
「…誰に?」
放浪集団ドリームファウンテンズ。
構成人数は100人を超える中小ギルド(戦士団)
それぞれがそれぞれの行動をしており、構成員全員が一堂に会することは滅多にない。
全世界から集まった変わり者の戦士や魔法使い。義の心のある魔物のギルドで世界的に名の知れた集団。
ギルド本部は破壊されない限りは常に移動し続ける飛空船。名を「ノア」
飛空船には自己意識があり、言葉をしゃべることができ自分で舵をとっている。
自分の進む先に仮想の海を作り、今日も空を泳いでいる。
そしてここにいるバッシュとシードは放浪集団ドリームファウンテンズのメンバーであり
豪鬼のバッシュと刹那のシードと呼ばれているドリームファウンテンズの中でも実力者に入る者たちである。
彼らドリームファウンテンズはモンスター狩りをしたり、人助けしたり
普通に農業に勤しんだり様々だが。
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