5人が本棚に入れています
本棚に追加
この二人はモンスター狩りをすることにより生計を立てていた。
「てきとー」
「気にするな」
「取り敢えず帰ろっか?報酬さっさともらわないと今日が越せないよ?」
「なんだよその顔。なんか俺が悪いみたいじゃねーか」
「どう考えてもバッシュの酒癖のせいだよ。生活苦しいのは」
「…すまん」
「今日もいい天気」
バッシュとシードが植物の怪物をひと悶着を起こしていたころ。
その森から少し離れた位置に、大きな城壁に守られた町があった。
大きな門には多くの馬車や人々が行き来し、市場には活気が溢れていた。
レンガ作りの建物が立ち並び、教会や館も並んでいた。
そんな街の中、一軒だけ洋風な街の雰囲気に似合わない和風な建物が建っていた。
瓦屋根に障子、引き戸で仕切られた入口。
どう見ても違和感MAXだった。
入口には表札が飾られていて、そこには「ドリームファウンテンズ第三部隊」と書かれていた。
そんな家の中、小さな庭に向かって用意された縁側に一人の女性が座っていた。
長く伸ばした黒髪に和風の家に似合った和風の服装…ではなく。
メイド服に身を包み、腰には水玉、炎柄、草花、雷、岩柄の鞘がごちゃごちゃと刺さっていた。
お行儀よく正座し、まったく湯気の出ていないお茶をすすっていた。
「お二人共、大丈夫でしょうか?」
まったく心配してなさそうな顔でずずっとお茶をすすっていた。
「大丈夫でしょあの二人は」
「おや、お嬢様おはようございます」
「いやもう夕方だよ」
和風の家の奥からちょこちょこと幼女が現れた。
白いワンピースに身を包み、青く輝く長い髪の毛を靡かせていた。
手にはこぶしの部分に髪の毛と同じカラーの青い宝石を埋め込んだナックルをはめていた。
華奢そうな見た目には似合わず、暴力的である。
「お嬢様。太陽が地平線に近いですよ」
「だから朝だよって言いたいんだろうけど。朝の太陽とは逆の位置だからね?」
「ですがお嬢様。月が二つありますが」
「それはいつもでしょ…」
「ですがお嬢さm」
「分かった分かった!あんたの言うとおりね!」
首をぶるぶると振り、だだをこねるような仕草をして
青い髪の毛の幼女はメイドの隣に座った。
「エレ!お茶頂戴!」
「申し訳ありませんお嬢様」
まったく申し訳なさそうな顔でメイドは言った。
「お茶は私が飲みつくしました」
「主の分残しておきなさいよ!バカっ!」
激昂した青い髪の幼女は暴力的なナックルをつけたまま
最初のコメントを投稿しよう!