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「田所さんと別れてから、一回も帰ってこなくなった」
田所さん
その言葉に、忘れようとしていた記憶の奥でくすぶっていた何かがチクチクと胸を刺す
「なんだ、やっぱり知っていたのか」
黙ったまんまの私を見て、嘲笑うかのように上から視線を私に向ける
「知っていてとは、たいしたもんだ」
「――いえ、その時は……」
「君のせいで、彼女が自傷行為をしてまで追い詰められて――そのあとどうなったか知らないと。
なら、教えてあげよう」
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