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「ほい、到着しました」
「ふむ……悪くない。風情を感じるのう」
目の前にはまさに"和"の住まい。
ちょっとした屋敷、ここが俺の家だ。
庭には鹿威しとかもあったりする。
「誰も居ない、よな……。
よし、そんじゃあ井戸から水を汲んで来るんで大人しくしといて下さい」
「あ、ちょっ」
返答を聞かずして俺は庭の地面に剣を突き立て、裏庭の井戸へと向かう。
頑丈な縄が結ばれた桶を下へと送り込み、いっぱいまで溜めた水をえっほえっほと運ぶ。
水道が引かれてないって不便だなぁ。
「むうう、妾を雑に扱うでない!
妾は誉れ高き魔剣の中の魔剣、ティルフィングであるぞ!」
「はあ、そうなんすか。
はいジャバーっと流しますよー」
「ひゃう!?」
剣を家の壁に立て掛け、俺は話を聞き流しつつ刀身に水を吹っ掛ける。
反応の仕方可愛いなおい。
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