第1章

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此れは、独りの嫌われ者の歩んだ道を綴った、ただそれだけのお話。 1月1日 am7:30 ピピピピッピピピピッピピピピッ! 『僕は今日もまたこの時を迎えてしまった』 僕の一日はいつも自分の務めを全うしようと毎朝懲りずに爆音を出す目覚まし時計に嫌悪を覚える所からスタートする。 いつも通りに、至って平凡な朝をその日も迎えたはずだった。 いや、その時点ではまだ平凡な日常に僕はいたのかもしれない。 だが、この世界はとても残酷でいつも予想外の場所から日常を蝕むのだ。 1月1日am8:00 今更ながら、僕は一人暮らしだ。そうすると必然的に朝食を自分で作らなくてはいけない。 僕は料理は好きだしそれは全く苦にならないのだが、最近少し問題がある。 それは、拾ってきた捨て猫の『コノミチ』である。 あっ、名前は勝手に僕がつけただけで、特にそこに問題があるわけではない。 問題は、その猫が料理中にご飯を食べてしまうことであった。 コノミチは異常な程に僕の目が離れた時に一瞬にして食べてしまうのだ。 なので最近は先にコノミチのご飯を作ってから自分の分を作るようにしてる。ただそれだけのことだった。 1月1日am8:20 僕は今ある場所に向かっていた。 勿論、学校である。 だが、素直な気持ちは行きたくなんてなかった。 学校なんて人の沢山いる所にいるだけで気分が悪くなる僕は、当たり前だが友達がいるわけも無かった。まぁー、誰だってもう気づいているだろうが、僕は補習に来ているのである。 何故か?それは、普通の生徒が沢山いる時に僕は此れないからである。
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