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一足早くに到着した麗は、自分を拐った組織の軍服を見るや否や、躊躇なく襲い殺した。
一種の復讐劇ともいえた。
帝国軍に所属しているからか、戦術機群が多数自分に近付いていた。
だが、戦術機の弱点を知り尽くしていたため、1対多で死闘を繰り広げた。
「うわぁ、あいつヤバイんじゃないか。」
「復讐で、自我を無くしたなら尚更だけどな。」
「まだ、戦闘中と、いったところか。」
「要救助ウィッチ36人収容完了。意識、脈拍共に正常。なお、マインドコントロールによる後遺症が懸念されます。」
「御苦労。では……」
ガコンッドガッ
「!!」
「なんだなんだ!」
「穴、ですね。」
「麗!」
コンクリート壁をぶち破って、地面に叩きつけられた物体。既に戦術機の装甲を纏ってなく、身体中至るところから出血が見られた。九条唯依が何度も麗と叫ぶが、反応が無い。しかし、心神喪失
しているのにも関わらず、吹き飛ばされた衝撃で落ちた長刀を再び握り締めた。しかし、体力的に無理があったらしく、九条唯依に支えられながら、意識を失った。
「帝国近衛軍第3連隊より政威大将軍宛、九条麗を保護した。なお、戦闘による負傷状態が窮めて危険。至急救急手当てを要する。」
「此方政威大将軍千条院摩那です。既に、医療班を伊豆半島沖の艦隊に待機させてあります。今はそちらに」
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