序章~真奈美・42歳~

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あれから三年── 一人暮らしにも慣れた、そして独身の気楽さを知った私は再婚なんて考えられなくなっていた。 「やったら恋愛はね?」 離婚から一年後、再婚する気はないと言った私に翔子が返した言葉だ。 「恋愛ねぇ……」 「え? 誰かおると?」 興味津々に訊ねる翔子に私は苦笑いする以外なかった。 「おらんよ」 さらりと否定した私に、翔子は大袈裟なくらいにがっかりしてみせた。 「恋愛くらいよかろうもん」 恋愛くらい……翔子は軽く言うが、その時の私は再婚同様恋愛にも前向きな気持ちを抱けずにいた。 もう再婚も恋愛もいい。 その時抱いたこの思いは42歳になった今も、そしてこの先も変わらない……筈だった。
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