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夕飯を済まし、お風呂も済ませた私は自分の部屋で顔の手入れをしていた。
コンコン。
ドアのノックに反応して振り向くと同時にドアが開く。
ドレッサーの前で女の作業を続ける私を見ながら、渉さんは私のベッドに倒れるように横になった。
「望愛…こっち来い」
「はい、少し待ってください」
「ダメだ。今すぐ」
「…ちょっと…」
「来い」
私は最後の美容液を適当に顔にまぶして、ベッドに向かった。
「望愛…」
渉さんがベッドの中から手を伸ばす。
私はその手を取って、自分も渉さんの横に滑り込んだ。
私は渉さんの広い胸の中にすっぽりと納まってしまう。
渉さんの胸に耳を押し当て、渉さんの鼓動を聞く。
お酒を飲んでいるせいか、いつもよりも少し早まった渉さんの音。
体温をいつもよりわずかに高い。
渉さんの鼓動、渉さんの体温。
一緒にいられることの…
…安心感。
今日の出来事を渉さんに話すのは今しかないと思った。
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