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「渉さん…。ちょっと…お話ししてもいいですか?」
「…ああ」
渉さんの腕が私をゆっくりと包み直す。
私はその腕をギュッと握った。
「今日の朝…私宛に変なメールが届いたんですけど…」
私は今日の出来事をゆっくりと話し始めた。
もう遅い時間だけれど、私の眼は冴えていた。
けれど、私とは逆に渉さんは相槌を打つ声がどんどんと細くなり…ついには返事をしなくなった。
私は渉さんの腕をそっと緩めた。
「…渉…さん?」
下がった眉に、長いまつ毛。
穏やかな寝息は私まで心地のいいものにする。
…今日はよっぽど疲れたかもしれない。
明日また、ゆっくり話そう。
「おやすみなさい」
私は渉さんの頬にキスをして、渉さんの中で体を丸めた。
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