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「実はね…」
私は自分のデスクに戻って、パソコンを操作した。
野崎さんは理央と奈美と…室長の他に、唯一私と渉さんの関係を知っている存在だ。
「実はね…今日の朝、私と社長の写真を添付した変なメールが来てね…」
私は朝のメールのことや自分がどうやって対処したのかを話して聞かせた。
「それでね…さっきこのメールが届いたから…野崎さんがエレベーターを降りてこっちに向かって来てるとき…実はすごく怖かったの…」
私はさっき届いたばかりのメールを表示させた。
彼女は私の横から首を伸ばし、画面に貼りつくようにそれを見つめた。
「…わ。これは確かに怖くなっちゃうね…。なんだか上から目線で嫌な感じ。だいたい、桐谷さんはこの人の秘書じゃないのにね。…あの…ちょっと席借りてもいいですか?」
「いいけど…どうしたの?」
私は言いながら立ち上がり、野崎さんに席を譲(ユズ)った。
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