怪奇現象-2

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静かな空間に私一人。 実はもう、今日の連絡事項も明日のスケジュールの確認も終わっていた。 野崎さんは私を心配して、私が仕事を終えるまで一緒にいてくれると言ってくれたけど、私は大丈夫だからと彼女を先に帰らせた。 時計を見ると午後6時半。 一人になるとまだ少し不安になるけれど、なんとなく… 渉さんを待っていたかった。 私のコーヒーを飲みたいと言っていた渉さん。 帰ってきたら…ミルクたっぷりのを入れてあげたい。 そう思って、持て余す時間で書類の整理をしようと席を立った。 書面の整理というのは案が時間がかかるもの。 少しのつもりが、もう1時間を過ぎていた。 「…遅いな…」 そう呟(ツブヤ)きながら、待つのをあきらめて帰ることにした。 書類を片付け、パソコンの電源も落とし、最後に社長室の戸締りを確認して秘書室の電気を消した。
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