覚醒 幼少期

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「不思議な子」 自分自身 幼い頃から死生観が 人と違うなという事は 暫しあった。 例えば 普通の子なら 死ぬことを考えれば 「恐い」 単純にそう思うだろう。 でもわたしは 違っていた。 死ぬことは 「やっと本来の自分の居る世界に戻れる」 こんな風に考えていた。 もっと極論を言えば 死んでも自分は無くならない ジブンというものは永遠だと 考えていた。 こんな話をすると 大人は決まって眉をひそめた。 「変わった子ね」 「変な事を言う子供」 大人たちが嫌な顔をするのが 不思議でしょうがなかった。 いつもこう思ったもんだ 「大人ほど、分からないもんだな」 ………………………………… この頃 よく昔の事を思い出したというか FB(フラッシュバック)した。 バシッ、バシッといった感じで 映像が視えてくる。 不思議なのはそれをいつも 天井辺りから 視ているということ それが起きると 恐怖よりも 好奇心の方が勝り (オッサンになってもそうだが) 周りの人に話すと 不思議がられる。 それは 口にしたことが 当たっているから。 こんな事があった。 わたしは 初孫でことのほか祖父に溺愛された。 祖父が肺癌の末期で 亡くなる数時間前に 部屋にわたしを呼んだ 布団に横たわる祖父を囲んで 祖母や叔母たちがいた。 祖父の枕元には果物の缶詰 吸い飲みでわたしが水を飲ませようとして 祖母に止められたこと 祖父がわたしの手を握りしめ 「もう少し一緒に居たかった」と 涙ぐんだことなど 叔母たちの位置まで 正確に記憶(甦った)していた。 まだまだ 三歳くらいの記憶を 五歳くらいで話し出したものだから 親戚中が驚いた。 「おまえ、誰から聞いた?」 「聞いたんじゃない、視ていて思い出した」 また 親戚達は気味悪がったね しょうがないだろう? だって視ていたんだから。 こんなことは 他の人でもあるかもしれないが 次に話すことは 「霊力」を覚醒させ、自覚させる決定的な 出来事だった。
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