第1章

12/18

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
「あっ!あのっ!」 「何よッ!」だから怖いって。 「どうして、ココが分かったんですか?というかあたしの存在をどこから?知ったばかりって言ってましたが」 「携帯!メールよ!ちょっと!私アナタに構ってる時間無いんだから!どうだっていいでしょ!」 「ちょッ・・・ちょっと待って下さいよ!」 ユキコはあたしを振り向きもせずに去っていった。自己中というかもう傍若無人。 追いかけようとしたら玄関のヘリにつまづいて転んだ。い、痛い。すごい踏んだり蹴ったり。 ユキコはそれでも振り向かず、あたしが挫いた足を庇いながら起き上がると、 もうエレベーターのドアが閉まってユキコは消えてしまった。 階段で追いかけてももう間に合わない。っていうか、足が痛い。 あたしはずりずりと足を引きずって部屋に戻る。 携帯?メール?ムラタケの携帯を見たって事? そういえば何かあたしの誕生日に地方に出張で、プレゼント当日に届くようにって宅急便頼むからって住所をメールで送った事あったな。でも大分前だぞ? 保護ってたのか?まーでもアイツの携帯、メール保存数が超多い最新機種だもんな。 でも・・・ あたしはムラタケの奥さんにバレるとか、他の女にバレるとか嫌だし、 (でも奥さんよりもユキコの方がめんどくさそうって思ってたけど) メールの内容だけじゃ寝てるとか分かんない様に普通の友達的なメールしかしてないんだけどな。 メール消すだろうけど、アイツのすっとこどっこいさからして消し忘れとかありそうだから用心してたのに。 まぁ考えても仕方ない。ユキコがムラタケ詰め寄るだろうし、後日経過を聞けばいいや。 ・・・でもあのユキコの剣幕からして今日がムラタケの命日かも。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加