第1章

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「バカラのグラスいいなぁー。これタケに買ってもらったのォ?」 いきなり人の家の中を物色し始めたレナは無遠慮にそう言った。 「いや、自分で買ったんですけど・・・」 「あーホントにぃ?結構稼いでる系なんだ?」 「いえ、まぁ。ハイ。」 ・・・。 ユキコと違って「何かされるんじゃ?」って恐怖感は無い分マシではあるが、何だコイツ。 ってムラタケの子妊娠したからって何でコッチに来んの?本宅に行けばいいじゃん。 「あの、ご用件は何でしょう、か?」 「ん?ああ、そうそう。・・・ちょっとォ。この椅子座り心地悪いじゃん。あっちのソファ行こうよ。」 ヤダよッ。アンタのキツイ香水が移ったらどーすんのよッ。だから布じゃない方の椅子にしたのに。 「すみません。ハイ、どうぞ。」弱ッ、あたし。 家に上げて話聞く以上、聞きたい事全部聞かなくては。 「あの、なんであたしの事知ってるんですか?そして何でこんな突然家来るんですか? ってかユキコの事もなんで知ってるんですか?」 「もー。そんな一気に質問しないでよー。ちゃんと話すからさぁ」 「じゃぁどうぞ。」はよ言え!。 「さっきも言った通り、レナ妊婦なワケよ。で、妊娠が分かった時に、タケに認知してー養育費出してーって 言ったら、もう一人外に子供居るって言うじゃない。まーそれがユキコんとこね。 しかも奥さんも三人目妊娠したのよ~。 タケが金持ちだってちょっとキツイワケよ。もう一人ってゆーのは。別に大金持ちじゃないしね。 まぁ金自体はもう一人増えても平気か。んでもこれ以上事態を悪くしたくないのは分かるよ。 今まではタケの事全然興味無いし知る必要も無いから、タケが何か言ってきてもスルーしてたんだけど、 こうなったら話は別って感じで色々調べたのよぉ。色々使ってぇ。ほら、水商売って人脈だけはあるから。
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