第1章

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あたしが一番、ムラタケの女関係には詳しいと思う。だって「友達」だもん。 本妻には、勿論言えない。ユキコの子供を認知しているので、ユキコの事だけは知ってるらしい。 浮気がバレたら、「どぉして?」としくしく泣いて、とても心痛めるだろうと言っていた。 ユキコにも、勿論言えない。「奥様の事は仕方無いと自分に言い聞かせてるのに、他にも?」 と、逆上して台所から包丁を持ち出しそうで怖いらしい。 レナは話にならない。とっととセックスして金貰ってさよならーって感じらしい。 たまに真面目な話をしようとも「んー良くわかんなぃ~」と小首をかしげる。聞く気がまず無い。 ミサトにも言えない。なんてったって「恋人」だから。 不倫だと分かってても「恋愛」しているという心構えなのでヤキモチを隠さず焼くらしい。 以上の理由により、ヤキモチも焼かず、利害関係の無いあたしが話を聞く事になる。 まぁ元々飲み友達で、イキオイでヤッちゃったら意外に肌が合ったもので以後たまに寝るだけで、基本的には友達なのだ。 ムラタケが女がらみのメンドクサイ事になっても助ける気もないし、 むしろオタオタする姿を酒のつまみに「情けないのォ」と笑い飛ばすつもりだ。 そして今日、あたしの家のチャイムが鳴った。
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