第1章

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「コホン。とにかく、正直におっしゃい。怒らないから。ホラ、至らない点があったら治すように努めたいし」 いきなりアドバイザー扱いかよ! 「あの・・・ホントに怒らないですか?」 あたしは基本的にウソが吐けないというか馬鹿正直と言うか・・・。 自分でもスラっとリアルな嘘ついてこの女帰らせたいんですけど。 「怒らないわよッ。私、約束は守る性格ですから。アナタと違って貞操も守ってますしね!」 貞操!スゲぇ。ある意味ユキコを尊敬してしまいそうだ。 「ええっと、・・・地味で・・・献身的で、何か怖い・・・って言ってましたけど・・・」 「何ですって!!」 ひぇ!怒らないって言ったのに! 「あの人ったらこんなに尽くしてる私を怖いだなんてよく言えたもんね 大体私がどれだけ我慢してると思ってるのワガママだって一度も言った事ないし強いて言えばまぁ子供産む時は絶対産むって言い張ったけどまぁでもそれはワガママっていうか人として当然の事というかそりゃ私だって年取ったわよタケシさんに最初出逢った時はそりゃー華も盛りな23歳でもう30過ぎたけど当時の純粋な心は今でも持ってるしそれを言うに事欠いて怖いだなんて酷すぎるわこんなに控えめにしてるのにどこが怖いって言うのよぉおおおおおーーーー」 どこがって・・・全体的に。マジ怖いその独白。あたし逃げたいよ。今すぐ。
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