再々出発

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帰国を意識したせいか。 彼とは身体だけの 割り切った関係だったのに。 家族以上に 彼のことをよく 思い出すようになった。 私の名を 撫でるように呼ぶ声だとか。 カップを持つ 綺麗な指先だとか。 彼だけが纏う 特別な香りだとか。 あれだけ夜を 共にしたというのに 思い出すのは ベッドの上の彼よりも 食事をしている時や 運転をしている時、 バイト先に来ていた時の彼だった。
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