8年後

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青空に浮かぶ 白い雲は 留まることなく 風に乗って動いている。 8年も経った。 あの時彼が 独身だったのか 既婚者だったのか 知る由もない。 ただ、おそらくもう いまは確実に 家庭を築いているだろう。 目を閉じ 一呼吸置いてから 私は再び歩き出した。 懐かしむことはあっても 求めてはいけない。 私にはもう 彼との夜は 必要ないのだから……。
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