第1章

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おそるおそるドアスコープを覗くと、 何だか地味な装いをした女が鬼みたいにインターホンを連打していた。 ・・・ヤバイな。 直感的にその女の名前が浮かぶ。 ユキコ。 違うかもしれない。 だけど他に思い浮かばない。 インターホンは鳴りっぱなし。 どうしよう。 電源を切ろうか、 いや、 それは家に居ますよと言ってるも同じだ。 ドンドンドン。 ドアを叩き始めた。 近所迷惑とは考えないのだろうか。 同じフロアの住人が何事かと出てきたらマズイ事になる。 通報するか?いや、 出来れば穏便に済ませたい。 でも刺されそうで怖い。 「居るんでしょ!?開けなさいよッ」 とうとう叫び始めた。 もう時間の問題だ。 腹を括って、 ドアを開ける。 でもチェーンはかけたままだが。
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