第13章

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「……そうじゃな、そろそろ準備もできてるじゃろうし…」 「そう、ですね。じゃあ行きましょうか、サチくん」 「え、っは?」 けれど、意味不明は続く。 「なんじゃ、お主が要件を言えと言ったのじゃろうが。ほれ、行くぞ」 そして、要件は一言も言っていないセルは 「小童(コワッパ)手を離せ」 俺の手を掴んでどこへやら連れて行こうとするのだが、反対側で俺の手を掴むサリスのソレが気に入らないらしい。 いや、まあ…確かにうん千年生きてるお前からすればサリスはわっぱだろうけどさ、一応これでもこの国の王子だからね?わかってる? わかっていそうには更々ないが、どうやらサリスも気にしていないようなので俺は何も言わないことにする。 ここでどんなに言葉を尽くして解しても、成果が実る気がしないから。 というか、サリス許容範囲広すぎるだろう。たまには怒っていいんだぞ?お前。 「離せ、と言っているのが聞こえんのか小童」 「いいじゃないか、別にサチの歩行になんら支障はきたしていないのだから」 そんな事を思うも、結局離される事のなかったサリスの手に、そうだったこいつはこういう奴だった、と思い出させられる。 そんなこんなでセルに引っ張られ、連れてこられたのは王宮内で一番大きなホール。食堂のような場所だ。 ここは、王宮内で働くものなら誰でも食事ができる場所。言うなれば社員食堂のようなものだ。 もちろん、総取りや税務官なんて言うエリートも、俺たちみたいな使用人も、たまに来る帝も、誰でも使用できる。 まあ、俺たち使用人は態々ここまで来る面倒をしている暇もないので、休憩室から近い厨房の方にまかないを貰いに行く方が多いけど。
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