Ⅱ†Ⅱ

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「ですが!」 「轟は人間なんだ!…いいね」 僕は隠し持っていたナイフを轟に渡した。 さぁ、行こう! 能力を使い次々に殺していく。手は真っ赤で顔には返り血がついている。自分もこいつらと同じ獣のようだ。 「誰か!」 人間の声が聞こえ行ってみると子供が噛まれそうになっていた。奴らの心臓を貫き子供を助けた。 「ありが…」 「お礼はいいから早くここから逃げろ!」 轟は無事だろうか…轟を捜しながら殺していくと噛みつかれている轟の姿を見つけた。 「轟!!!」 轟を助け出すと体は冷たくなっていた。息は浅くもう死ぬ寸前だ。体を揺するが目を開けない。 しかし、口は少し動いていて轟の口に耳を近づけると 「…………あ………ま…ね……さ……ま…」 と言っていた。逃げて良いと言ったのに。 「轟は損してばかりだ……」 俺たちの周りを炎が包む。 本当はこんな事をしたくはなかった。轟は人間のままで幸せをつかんでほしかった。僕たちが出会ったのは間違いだったのかもしれない。
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