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「ですが!」
「轟は人間なんだ!…いいね」
僕は隠し持っていたナイフを轟に渡した。
さぁ、行こう!
能力を使い次々に殺していく。手は真っ赤で顔には返り血がついている。自分もこいつらと同じ獣のようだ。
「誰か!」
人間の声が聞こえ行ってみると子供が噛まれそうになっていた。奴らの心臓を貫き子供を助けた。
「ありが…」
「お礼はいいから早くここから逃げろ!」
轟は無事だろうか…轟を捜しながら殺していくと噛みつかれている轟の姿を見つけた。
「轟!!!」
轟を助け出すと体は冷たくなっていた。息は浅くもう死ぬ寸前だ。体を揺するが目を開けない。
しかし、口は少し動いていて轟の口に耳を近づけると
「…………あ………ま…ね……さ……ま…」
と言っていた。逃げて良いと言ったのに。
「轟は損してばかりだ……」
俺たちの周りを炎が包む。
本当はこんな事をしたくはなかった。轟は人間のままで幸せをつかんでほしかった。僕たちが出会ったのは間違いだったのかもしれない。
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