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僕と出会わなければ今頃すてきな出会いをして結婚をして子供が産まれ…日のあたる平和な世界で笑って暮らしていけたのかもしれない。
こんな死に方をしなかったかもしれない。
「…轟、ここでお前は死ぬべきじゃない。ごめん…本当はこんな事をしたくはなかった……でも、お前を死なせたくないんだ…」
僕は自分の腕を噛み血を吸った。その血を轟に飲ませた。
僕の体には赤城の血が流れている。轟、ごめん…人間に近いいままだが人よりは長生きをする生き物にしてしまう。この先、好きな相手ができても寿命の違いで轟に寂しい思いをさせるかもしれないけど死なせたくなかったんだ。
轟が目を覚ますまで全力で戦った。
どれぐらいの時間が経ったのだろう。雨が降り炎は鎮火していった。辺りは死体と瓦礫…僕だけがその場に立っていた。
体中が血まみれで鉄臭い。轟はまだ目を覚まさない。
手遅れだったのだろうか。
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