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美術部と写真部って仲が悪いんだ。でも少し言い過ぎじゃないかな、みんな仲良くすればいいのに。
写真部の部室がある実習棟へ向かう。先になのはも着いてる頃だろうから少し急ごう。
3階の実習棟に入ると建築学科の実習棟だ。ちなみに実習棟は授業以外では使わないからとても静か。
少し奥に進むと専門授業を行う為の教室がある。授業が無い時は使っていないし他の学科の生徒はまず用事が無いから行くのは緊張するよ。他学科の生徒か来て怒られたりしないかな。
実習棟に入ると空気がひんやりしてくる、なんだろう別の世界に来ちゃったみたいだ。
少し奥に進むと茶色に変色したコピー用紙に『写真部』と書かれた紙が張ってある教室があった。カーテンが閉められていて中の様子は確認出来ない。本当にここが部室なのかな。
「すみませーん、誰かいませんかー?」
反応はない。扉をノックしても誰も出てくる様子はない。今日は誰もいないんだろうか。なのはも諦めて帰ったのかな。
「あれ、鍵がかかってない」
扉に手をかけるとガラガラと音をたてて扉が開いた。
「すみませーん、お邪魔しまーす」
恐る恐る部室に入ってみる。
「誰もいませんかー?」
返事はない。鍵を開けっ放しで誰もいないなんて不用心だなあ。
部室には3人がけの生地が破れたソファ、大きな四角いテーブル、電子レンジ、ポットにテレビ、大量のマンガ本、パソコンまである。部室というよりは休憩室のような、ゆっくりくつろげる空間になっている。さっき見てきた美術部とは大違い。
「ここって本当に写真部なのかなあ。まるでまんが喫茶みたい」
どこか別の部屋と間違えちゃったかな、部活をする部屋じゃない気がする。
「一応カメラも置いてあるのね、フィルムカメラかな」
部屋の奥においてある大きな棚に、いくつかカメラが置いてあった。昔おじいちゃんが使っていたカメラに似ているから、たぶんフィルムを使うカメラだ。
部室の鍵が開いているって事は部長さんは戻ってくるよね。少し待たせてもらおうっと。
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