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――なんで。と聞かれても困る。
慌てて顔を向けた時、ふいに遮られた視線。
気がつけば唇が触れていて、面喰った。
離れた唇からは、いちごシロップの味。
買い込んだ食料はさておき、かき氷から食べてるってどういうこと?
唖然として直くんを見つめる。久々のキスがまさかこんなにも突然訪れるなんて。
「……言え」
直くんの視線は依然強く。
「言わないと――」
直くんが言いかけたその時、一発目の花火が上がった。
流れていたアナウンスは右から左だったらしい。
突然、真後ろから音が弾けて身体が揺れた。
直くんのその綺麗な顔に、色とりどりの光が当たり、そして静かに消えていく。
「……すげぇ」という声が漏れたのは、あたしが花火へと振り返ってすぐのことだった。
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