九歩目 「繋がる」

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「――なぁんて」 「!」 一瞬覚悟を決めたあたしに、直くんから優しい嘲笑。 驚いて視線を上げると、「さすがにな」と一人納得してソファーに腕を乗せている。 もちろん、そんな勇気はなかったけれど、ちょっとだけがっかりというか肩すかしというか……。 口が裂けても言えないけれど、脳内の隅っこでそんなことを思った。 「ま、安心して食えよ」 「――んぐっ!」 押し込まれて面喰う。それすらも、楽しいのか直くんはいつにも増しておしゃべりでよく笑っていた。 ……もちろん、嘲笑という言葉が似合う「ふっ」とか「へっ」とかいう笑いだけど。 今日の直くんは、色どり豊かだ。 「ったくさ。お前がバイトばっか入れてるから。色々と計画が丸つぶれだよ」 「……!?」 押し込まれたパスタをかみ砕きながら、またもや聞き流せない言葉を拾う。 「け、計画……!?」 麺が喉につっかえながら聞き返した。 頬杖をつき、視線を逸らしていた直くんが、汗でだくだくになっているあたしに気付いて視線を流す。 流し目はもちろん。破壊力抜群。
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