第一章 はじまり

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この先の村まではあとどれくらいだろう。 ガーグァの背中に乗り 手綱を握っているアイルーが こっちを向いて 「この先の村へは観光かニャ??」 と聞いてきた。 「いや、仕事探しだ」 俺は風の音にかき消されないように 少し大きめの声で伝えた。 アイルーは軽く頷いて運転に専念する。 ここに来る前立ち寄った集落で この先のミタマ村へ行けば 仕事にありつけるだろうと教えてもらった。 アイルーの納得した様子からも 噂通りミタマ村には 仕事が溢れているということがわかる。 特に何の仕事がしたいというわけでもないが 住んでいた村を飛び出した俺には 行く宛てもなければ帰る場所もない。 ただ働いて生活をする場所が欲しくて もう半年もさまよっている。 そろそろちゃんとした仕事を 見つけたいんだ。
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