【通観】

7/9
前へ
/40ページ
次へ
  「いや、成実です。」 「断る!なるみ~!」 「し、げ、ざ、ね!何でお前に断られなきゃなんないんだよ!!あと暴れるな!ぶん投げるぞ!!」 「それは私が断る!」 「じゃあ代わりに背負って下さいよ、殿下。」 「そうしたいのは山々だが、本人が“なるみ”を所望するのだから、仕方が無い。」 「成実です。」 「ふん。正して欲しくば、この太閤秀吉に対する態度を【重々】改めるのだな。」 「…偉そうに…。」 「偉そうではなく、偉い。信長様の命さえ無ければ当の昔に手討ちにしている所だぞ。」 「そうですよねー。お殿さん居なかったら立場も何もありませんものね。殿下は。」 「…貴様。」 「ふぁーあ。…口を開けば立場だ呼び名だ、いちいち五月蝿いのぅ、貴殿らは。日ノ本を背負う男児が何と情けない。」 「お前が言うな!!」 「こら、藤五郎!」  
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加