第1章

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 目を覚ますと、俺――高山寿也(たかやまとしなり)はおかしな部屋にいた。 天井と床が白で壁は全て黒。 随分と目が痛くなる組み合わせだ。 しかし、何でこんな所に。 ついさっき、俺は唯と交差点で分かれて、商店街で買い物してて……嗚呼、そうだ。 通り魔に刺されたんだった。 そのまま視界が暗転して、目を覚ますとこんな場所……なるほど。 こいつはいわゆる『転生チート物』の状況か? そう思った時だった。 「ようやく起きましたね」 「……危うく叩き起こすとこだった」 背後から2つもの聞きなれない声がしたのは。  振り向いた俺の目には、声の主らしき2人が目に入った。 1人は金髪碧眼に牧師の服、もう1人は黒髪赤眼に西洋鎧を身につけてる男だ。 で、どちらにも共通するのが、明らかに自然体なのに放たれている異様な威圧感。 ――これで確信した。 「あんたら、神様か?」
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