四月上旬

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―― それはだいたい6年前、「つまらない」ことでケンカしたときのことだ。 記念日だということをすっかり忘れてバイトをしていた。 途中で気が付いたが生真面目な僕はシフトを完遂し、夜になってから電話を入れた。 ファミレスで会うことにした僕らだったが、謝ってもこれといった反応がない。 雰囲気は最悪だった。 僕も疲れていたのだろう、なんとか空気を変えようと努力をしたのだが、 「つまらないことでケンカするのはよそう」 見え透いた地雷を踏み抜いた。
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