銭湯

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隣には昔、銭湯がありました。 それは覚えていて、双子の兄弟がいたのも覚えています。 銭湯を経営していた人は代わり、その双子の両親も数年で経営を辞めて引っ越しました。 だから経営する人が居ないからなのか銭湯は壊され、残ったのは双子が住んでいた家だけ。 それから数日がたったある日、私は夢を見ました。 私の家の3階は屋上で、銭湯の屋根より少し高いくらいでした。 階段が怖くて滅多に上がらない私は、暗闇の中 屋上に立っています。 横を向くと銭湯の屋根があり、奥には家の窓が見えます。隣人の双子はよく、その窓から出ては銭湯の屋根で遊んでいました。 奥の窓が開くと誰かが出てきます。 (あれ?お風呂屋さんは無くなったよね?) 夢だと気付いてない私は、近付いてくる人影をジーっと見ています。 その人影が銭湯の屋根を真ん中くらいまでくると。 「朝よ、起きなさい」 母に起こされました。 「お母さん、変な夢を見た」 「人は誰でも、夢を見る」 「そうだけど、横の空き地の夢」 私は母に、夢の話を学校に行く時間まで話しました。
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