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話し合いの邪魔にならないようにと、井上は仔猫に視線を注ぐが、仔猫は自由に一室の中を歩き回る。
それを見ながらも、やはり場所な場所だけに、にこやかな藩士達ばかりではない。
「集中出来ぬな」
「まぁ、そう言われずともよいではないですか」
上座に座る藩士に声をかけた青年は、穏やかに問い掛けながらも次に井上に視線を流した。
「たまには、はりつめたものが薄れるのもいいかと思いますよ」
「一個人の意見ですが」そう、付け加えながら青年は再び上座に座る藩士に視線を逸らした。
「吉田も甘いものだ」と、藩士はふんと鼻で笑いその場は収まり話し合いは進んでいくが井上は昨夜、桂との話し合いの際に見せていた伏せがちな視線はその間上がることはなかった。
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