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感情が欠落しているのだろうか……
私は……
亡骸を見たところでなんとも思わぬ
ただ、人が死んだ
私が殺めた
それだけ
欠落しているのだろう
人という名の感情が
転がった提灯が、その姿をぼんやりと照らしだす。
小柄な立ち姿に浴びた鮮血。
夜風にユラリ、またユラリと靡く結い上げた髪。
握り締めた刀を静かに鞘に収める動作は流れるように行われ、
一連の動作は手慣れているように窺えた。
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