第1章

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   ある地に、民兵と政府の兵とが戦っていた。  民兵は廃墟を最後の砦として、戦っていたが、戦況は危うかった。  民兵は、切り札として戦いに特化した、戦闘用ロボットを作ったが、頭に銃弾を受けてから様子がおかしくなった。  ある、一人の民兵がロボットの前まで来て、言った。 「くそ、このままでは俺達は負けてしまう。どうすればいいんだ。逃げるにも囲まれているから駄目だ。このままでもいずれ殺されてしまう。だが、運良く逃げきれたとして、俺達に帰る場所はあるのか?」  この言葉に、傍に立っていたロボットの目に光が宿り、口を開けた。 「おはよう、こんにちわ、さよなら」  返してくる言葉は、いつも同じなので、民兵は話しかけるのではなく、独り言を呟いたのだった。  それから、民兵は政府の兵に負け、廃墟には人はいなくなった。後に残ったのはロボットだけである。  空を我が物顔で飛んでいた一羽のカラスが、ロボットの肩にとまり、硬い口ばしでロボットの頭をつついた。  すると、ロボットの目に光が宿り、口を開いた。 「おはよう…。こんにちわ…。さよなら…」
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