15人が本棚に入れています
本棚に追加
陸の胸の中でコクリと頷いた。
陸は驚いた様子で、でも優しく私を抱きしめた。
「でもね…。」
陸は視線を私から外し、顔をあげて、周りを見るよう私に合図をした。
行き交う人達が私達を見て、クスクス笑っていた…。
そんな光景を見て、二人で赤面しながら、笑い合った。
「僕、今日はもうホテルに帰るんだ。ホント紗良は危なっかしいな。今日まだ仕事だったらどうするつもりだったの?」
「うっ…分からないよ。でも会いたくて。陸に抱きしめて欲しくて。」
陸のスーツの裾をちょっとだけ握りながら見上げると、少し頬が赤くなっていた。
そして私の耳元で囁くように
「今日は寝かせないよ。」
そう言ってイタズラな笑顔を見せた。
私は顔が真っ赤になるのが分かった。
ホテルへ帰ると、陸は背中から私を抱きしめ、私の首筋に唇を這わせながら囁いた。
「紗良、愛してるよ。」
そう言って私の顎を持ち上げ、振り向かせた。
そこに陸の柔らかい唇が落ちてきた。
始めは優しく触れるだけ…そしてどんどん激しくなり、舌が絡み合う音が部屋に響きわたる。
陸の首に腕をまわし、もう離れないと言うように強く抱きしめた。
そして陸も私をさらに強く抱きしめた。
ベッドで二人裸になり、お互いの肌の触れる感触にまた気持ちが高ぶる。
陸は私の全身に優しくキスを落とす。
それだけで、私の体は痺れていく。もう頭が真っ白になって…。
「紗良…まだまだこれからだよ。」
そういってイタズラに微笑み、また私の唇を塞いだ。
どれだけ唇を重ねても愛おしさか溢れて、このまま二人で溶けてしまいたい。
このまま二人で…。
その時、陸が私の中に入り…私を満たした。
そしてこの夜、私達は何度も求め与えあい、幸せを感じていた。
週末だったからゆっくり過ごし、妻らしく手料理を振舞ったり、離れていた間の淋しさなんて嘘のよに、幸せな時間を過ごした。
最初のコメントを投稿しよう!