第1章

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こんな、ウキウキの気持ちになった後は、必ずガッカリする。 麻婆豆腐は冷めて、冷蔵庫に仕舞われ、私は、一人で淋しく夫の帰りを待つのだった。 「はー。」 渇いた溜め息が、どんどん私の心を渇かしていく、カサカサになった私の心は今にも崩れて壊れてしまいそう。 彼の笑顔に会いたい… 彼の笑い声が聞きたい… 彼の社交辞令に甘えたい… ………甘えてしまえばいい。 「ねー、やっぱり、作ろうかな?」 「え、どうしたんですか?」 「うん、何でもない…」 彼は、小さな紙切れを私の手に……置いた。 そこには、「連絡下さい。」の文字と十一文字の数字が書いてあった。 白い紙に、黒い字、モノクロのはずのその小さな紙切れは…… 恋心に染まっていた。 「あ、もしもし…向井君ですか?」 「あ、どうも…奈緒美さんですよね? 良かったー連絡来ないかと思ってました。」 「え!?何で。」 「だって、あれからスーパーに来てくれてないから…」 「あー、行ってはいるのよ…まぁーお昼にだけど、何か恥ずかしくて…」 「奈緒美さんは、おこりんぼで、恥ずかしがりやさんですよね?」 「そうかな?」 「あははは、そうですよ。」 「うふふ、そうかもね。」
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