第1章

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私の人生は単調だった。 高校時代に何気なく付き合った彼と、ずるずると恋愛しそのまま、年を取り結婚した。 別に詰まらなかった訳では無い、そして、今になって心変わりをしたわけでもない。 只、思い返して普通だなって思ってしまうだけ、それが一番幸せなんて言われても、全然実感が沸かなかった。 年は三十…付き合ってから十三年、結婚してから六年、まだ子宝には恵まれてはいない。 子供が出来たら、今のこの時間を懐かしく思うんだろうなって、分かっているんだけど、何処か空しい。 もっと、色んな恋愛をするべきだったのか? 何て、下らない事を考えたりする、これが倦怠期なのかしら、いいえ愛が消えた訳じゃない、嫌いにもなってない、私自身が何故か空しさを感じている、 目立つ理由などなかった。 だからこそ、たちが悪かった。 …… 「ふー。」 「どうしたんだ奈緒美、今日は溜め息だかりだな?」 「そう?博が気にしすぎ何じゃない、いつもと変わらないわ。」 「それって、いつも溜め息ばかりって事か!?」 「あげ足とらないでよ。」
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