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スラッと伸びた手足、まだあどけなさが残る顔…私は、何時からこんな男性を子供と思うようになったんだろう?
「あのー、おば…いや、おねえさん。」
「わざと言い直したでしょ?」
「え、はい、あははは。」
「あはははじゃないわよ、私は、まだ若いんだから…って、事もないけど。」
「あははは、いくつ何ですか?」
「普通聞かないのよ、失礼ね。」
「え、今の話の流れで聞かないんですか!?だってまだ若いって自分からいったんですよ。」
「…そうだけど…」
何か急に恥ずかしくなってきて、声が小さくなり俯いてしまった。
「じゃあー僕から、僕は、向井誠也、十九才です。」
「…あぁ、はい、どーも、私は、大谷奈緒美…年は…」
「年は?」
「三十よ、何かムカつくはねあなた。」
「あははは、そんな風に怒ってるとすっごく可愛いですよ。」
「やっぱり、失礼ね。」
「あ、もう行かなきゃ…僕はこのスーパーで夕方からレジをやってるんですよ、会いに来てくださいね。」
「あぁ、はい、あなた…スーパーのレジは人気商売じゃないのよ!?」
「ち、違っいますよ、只また会いたいなって思っただけなんで。」
そう、言うと向井誠也は走って行ってしまった。
「なんなのよ…もう。」
久しぶりに緊張をした、ドキッとした実感もあった、そして、少しムカついた。
それが、彼との出逢いの感想だった。
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