最終章

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どうしたら彼女の気持ちが解るのか。 本当は… 私と会ってながら、 あの男にまだ心が残っているのか。 そして、 子供の父親は誰か。 心の底から楽しんでくれてるのすら、解らない。 ましてや、 私が彼女に近づいた理由は… 何度、 助手席に座る、彼女の手を握ろうと思ったことか。 そのたびに、 彼女に近づいた理由が頭をかすめて… 開いた手がこぶしに変わる。 彼女は覚えてるだろうか。 「宋さんと一緒居いると美味しいものばかり頂いて… 太っちゃいそう。」 そう言って笑った。 「もう少し太った方がいいですよ? その方が可愛い。」 なんて、 恥ずかしいことを言った。 「この歳になると、 お肉はヘンなところに付いちゃうんです。 下っ腹とか、背中とか… 見えないところに。 そうなったら宋さん、 何とかして貰えます?」 笑いながらだけど、 そんなことを言うものだから、 俺はちょっと本気になってしまったんだ。 「いいですよ? どんな澪さんも、澪さんだから。 私は変わらない。」 そうだ。 今の澪さんも、 80㎏になった澪さんも、 きっと今と変わらない自信がある。 そんな他愛のない会話で、 自分の強い想いを知ったんだ…
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