最終章

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「結婚を前提に…」 そんなことを言い出したのは、 断られて、 やっぱりそうですよね… なんて、 自分の気持ちを断ち切ろうと思ったから。 自分の立ち位置を考えたら、 気持ちは… はっきり言って澪さんの気持ちはよく解らない。 一緒の時間を楽しんで、 心待ちにしてくれているような気もするが、 どこかに心を置き去りにしているような気もする。 松田のことをまだ想って居るなら、 断られるはず。 ちょっとした賭けのつもりだった。 こんな事をそんな駆け引きで使うなんて… そう思ったが、 ほかに、いい手段が思いつかなかったんだ。 OKを貰えたなら、 社長にはこのことを話そう。 彼女はもう、松田のことは何とも想っていないと。 それが私の願い。 希望。 一度離れてしまった心は、 二度と元には戻らないと信じてる。 何らかの理由があって、 離れたのだろうから。 もし、 希ちゃんが松田の子供だとしても、 それを口にすることなく別れたということは、 きっと一緒には生きていけない何か重大な欠点があったという事だろう。 誰の子供だろうと、 澪さんの子供に間違いはない。 そんなことはどうでもいいんだ…
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