最終章

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戸惑ったように少し考えた彼女。 やっぱりダメか… そう想ったときに、 頬を赤らめて頷いて… 嬉しかった 嬉しかったという言葉では全ては語れないけど、 率直に嬉しかった。 焦らずにゆっくりと… そう言ったと思うが、 それはきっと自分に言い聞かせたのだろうと思う。 前の結婚の時には、 再会が嬉しくて、 勢いで結婚したようなものだから。 今度はちゃんと向き合って、 お互いを知り合って… 全てを受け入れて欲しい。 彼女にはちゃんと解って欲しい事がたくさんある。 そのためには、 もっと時間を掛けないと… そう想って… だけど、 そんなときにあの事故。 電話をくれたのは花屋の店長。 まだ、店を閉めていない時間。 もうほとんどお客様の姿はなかったけど。 本人が電話をしてきたから大丈夫だろうと言うけど、 心配で仕方がなかった。 だから、朝イチで病院に向かった。 朝は面会時間じゃないことは知ってたけど、 婚約者だというと病室に入れてくれたんだ。 やっと見つけた大事な人だから、 どうしてもついていたかった。 どうしてはじめに私に電話をくれなかった? 昨日、電話をしようかメールにしょうか、 連絡があるんじゃないかと一晩中… そんなことを考えながら入った病室で… 案外元気そうな顔。 顎の下に絆創膏の大きなのを張って、 腕を固定されてた。
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