最終章

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花束や甘いもの、 他には女の子が喜びそうなぬいぐるみや絵本… 男の子の好きなものは分からなかったから、 話で好きだと聞いてたサッカーの試合のプレミアチケットを手配して、 澪さんの実家を訪ねた。 一番喜んでくれたのは男の子。 海翔くんという、 活発そうな賢そうな男の子。 そのゲームは夏休みも終わる頃、 澪さんの怪我もたぶんその頃はもうほとんど大丈夫な頃だろう。 一緒に行けたら、少しでも距離を近づけないか…なんて。 希ちゃんはぬいぐるみを抱きしめて絵本をめくってる。 文字が読めなくても絵だけで楽しめるような絵本を、 本屋さんに選んでもらったんだ。 ご両親にも何とか気に入って貰えて、 何度かお宅にお邪魔した。 のんちゃんのお誕生日にも花屋の店長を誘ってお邪魔した。 必死だったかな… あの、 松田遙人にあんな宣言をしてしまったから。 絆を深めたかった。 情けのないことに、 まだ、手も握れてない状況で、 それを深めるためなら、 周りの人たちを巻き込むしかないと思ったんだ。 実家にいる間は、 二人にはなれないから。
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