消えたのは存在そのもの

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月野家は家の直ぐとなり 玄関の前にたどりつくのに 40秒もかからなかった 今の時間は7時過ぎ この時間になると 鍵が開けられていることを 私は知っていた なぜなら電話に出ないときは 私が華月を起こしに来ることを 華月のお母さん、 華菜子さんは知っているから 私は1度だけ 呼び鈴を押し、 何時ものように 玄関のドアを開け 中に入っていく そこはいつもと変わらない玄関 綺麗に靴が並べてあり、 靴箱の上には 可愛らしい小さな花が飾ってある それに少しホッとするも やっぱり落ち着かない 階段を上がって 直ぐ左にあるはずの華月の部屋 容易にその部屋の前までたどり着く 「ごくり」と生唾を飲み込みながら ゆっくりとドアを開ける そこに広がっていたのは 青を主張としていて、 簡潔にまとまっていた 華月の家具ではなく カーテンと同じくして ピンクや白の 女の子らしい家具が目に入ってくる 「…え?」 そしてレースのベットに すやすやと寝ていたのは やはり華月ではない そこに寝ていたのは 華月の妹の華夜ちゃんだった 「部屋変えたの? でも一日で…?」 華夜を目の前にして いろいろ考える
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