消えたのは存在そのもの

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「でもここは…華月の部屋でしょ!?」 私は気が動転してしまって やや大きめの声で話す そんな私にビックリした華菜子さん 「大丈夫花音ちゃん? 華月…くんだったかしら? その子は誰のことかしら?」 華菜子さんは こんな冗談言う人じゃない それにこの顔は ほんとに「知らない」って顔 でも華月がわからないなんて そんなこと… それこそあるわけない 「んー…どうしたの~?」 そんな時のそっと起き上がり 眠たそうに目を擦る華夜 私は藁にもすがる思いだった 「華夜ちゃん!華月はどこ?!」 寝起きなんてことお構い無く 華夜の方肩つかみ 大きく前後に揺らす 「わぁぁあ~!やーめーて~!」 「ご、ごめん…」 彼女の言葉にはっとし 揺らしていた手を肩から離す 「ふー…。もーどしたの花音お姉ちゃん。てか、華月さんってだーれ?」 華夜も華菜子さんと 同じ顔をしていた 華月を「知らない」 そんな顔を… そんなわけ… そんなわけないのに
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